YouTubeでNintendo SwitchやPS4のゲーム実況をするに当たってキャプチャーボードの知識が必要になったので調べてみました。せっかくなので情報シェア。
- キャプチャーボードを買おうと思って調べているが、何だかよくわからない
- キャプチャーボード購入前に情報を整理したい
以上の人は閲覧推奨です。
では、見ていきましょう。
キャプチャーボードの基本

参照:Amazon
キャプチャーボードとは
キャプチャーボードは、ゲーム機(SwitchやPS4)の映像や音声をPCモニターに出力する周辺機器です。ゲームの録画やライブ配信をするために利用します。
「キャプチャー」の意味
IT用語辞典から引用します。
キャプチャとは、捕獲(する)、争奪(する)、占領(する)などの意味を持つ英単語。ITの分野では、何らかの対象が発する信号やデータなどを、装置やソフトウェアを用いて記録・保存するという意味で用いられる。
別名
キャプチャーボードは様々な呼ばれ方をします。
- キャプチャーカード
- ビデオキャプチャーボード
- キャプチャーボックス
キャプチャーボードでできること
大きく分けると次の2つです。
① 録画→動画編集
② ゲーム配信・ライブ配信
キャプチャーボード必要の有無
そもそもキャプチャーボードは、どのような場合に必要でしょうか。
表でまとめてみました。
ゲーム機 | キャプチャーボードの必要性 |
スマホ | 不要(スマホの録画機能が使える) |
PC | 不要(キャプチャーソフトを利用) |
PS1~4、PS Vita TV、PSP(2000/3000) | 必要 |
Switch、Wii U、Wii、GC、N64、SFC、NEW FC | 必要 |
スマホゲームやPCゲームの録画では必要ありませんが、SwitchやPS4などのゲームを録画したい場合は必須です。
キャプチャーボード利用の前提
キャプチャーボードを利用する前提として、PCが必要です。
キャプチャ=ボードを購入しても、PCがなければ意味がないので要注意。
なので、PCを持っていない人は先にPCを購入しましょう。
キャプチャーボードの種類

参照:Amazon
接続方式での分類
次の2種類があります。
デスクトップPC | ノートPC | 液晶一体型PC | |
内蔵型 | ◯ | × | × |
外付型 | ◯ | ◯ | ◯ |
外付型はUSB接続ですが、内蔵型はデスクトップPCの筐体を開き、内部に接続します。
デスクトップPCがメイン機体かつPCに詳しいなら内蔵型、ノートPCでの収録がメインなら外付型を選択するのが基本。
また、どちらを購入するか迷った場合、どのタイプのPCでも利用できる外付型キャプチャーボードがおすすめです。
USB端子(外付型)
外付型のキャプチャーボードを買うなら、USB端子に注意しましょう。
USB2.0とUSB3.0の物があるので、要注意です。
基本的にはUSB3.0を選べばOK。
補足:メリットとデメリット
内蔵型キャプチャーボードと外付型キャプチャーボードのメリット・デメリットを比較してみました。
メリット | デメリット | |
内蔵型 | ・見た目がすっきりする
・ゲーム画面の遅延が少ない |
・セッティングにPCの知識が必要
・拡張性のないデスクトップだと取り付けられない ・種類が少ない |
外付型 | ・USBでPCとつなぐだけなので準備が簡単
・内蔵型より種類が豊富 |
・コードが絡まる
・キャプチャーボードを置く場所が必要 ・内蔵型より相対的にスペックが低い ・USB2.0とUSB3.0で購入失敗 |
内臓型キャプチャーボードの例
外付型キャプチャーボードの例
エンコード方式による分類
エンコードによりキャプチャーボードの分類ができます。
エンコードする場所 | メリット | デメリット | |
ソフトウェアエンコード方式 | PC | ・遅延が少ない
・非公式キャプチャーソフトが使える |
PCに高負荷 |
ハードウェアエンコード方式 | キャプチャーボード | PCに低負荷 | 遅延が大きい |
ハードウェアエンコード方式とソフトウェアエンコード方式、それぞれにデメリットがありますが、最近ではデメリットを軽減した商品も登場しています。
しかし、あくまでデメリットが「軽減」されているだけで、完全に無くなったわけではありません。
ですので、「ライブ配信をメインに行う」「声入れは後で行う」など自分の配信スタイルが明確な場合、それに合わせたエンコード方式の商品を選ぶようにしましょう。
また、ノートパソコンしか持っていない場合、PCに高負荷がかかるソフトウェアエンコード方式はおすすめできません。必ず動作環境を確認してから購入しましょう。
特にこだわりがなければ、遅延が少ないソフトウェアエンコード方式がおすすめです。
補足:エンコードとは?
デジタルデータやアナログ信号を規定のルールにしたがって変換することです。
動画データをWeb上で再生しようとすると、そのままだとデータ量が大きすぎて再生できません。
そのためデータの圧縮作業が必要になります。
この圧縮作業をエンコードと呼びます。Webに動画を配信するためには必須の作業です。
購入時に注意するポイント
購入にあたって注意したいポイントをリストアップしました。
① パススルー出力機能
キャプチャーボードを選ぶ際には、パススルー出力機能が備わっているか否かを確認します。
キャプチャーボードはUSBでパソコンとつなぎますが、この場合遅延が発生します。
しかし、パススルー出力に対応しているキャプチャーボードはHDMIでテレビやPCモニターに接続し、遅延を軽減することができます。
パススルー出力なし:ゲーム機→キャプチャーボード→(USB接続)→PC(遅延あり)
パススルー出力あり:ゲーム機→キャプチャーボード→(HDMI接続)→PCモニタ・テレビ(遅延なし)
特に問題がなければ、パススルー出力機能があるものを選びましょう。
② 古いゲーム機の接続端子
最近のゲーム機にはHDMI端子が備わっています。
- Switch、Wii U
- PS4
- Xbox One X、Xbox One
しかし、ひと昔前のゲーム機だとコンポジット端子が当たり前でした(以下の画像g。参照元はWikipedia)

つまり、古いゲーム機の録画や配信を行いたいなら、コンポジット端子に対応したキャプチャーボードを買う必要があります。
- PS、PS2
- Wii、GC、N64、SFC
以上のゲーム機をキャプチャーボードと繋ごうと考えているなら要注意。せっかく購入したキャプチャーボードが使えない可能性があります。
複数のキャプチャーボードが必要?
古いゲーム機と新しいゲーム機のそれぞれで配信をしたいなら、HDMI対応のキャプチャーボードとコンポジット端子対応のキャプチャーボードを併せて用意しなければいけないのでしょうか?
ちょっと待ってください。
早急に決断を下すのは止めましょう。
というのも、古いゲーム機で遊べるゲームのいくつかは、PS4やSwitchでもダウンロード販売が行われています。
なので、コンポジット端子対応のキャプチャーボードの購入を検討するより、PS4やSwitchでゲームを手に入れることができないかまずは探してみることをおすすめします。
③ HDCPについて(PS3での配信を考えている人向け)
HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)とは、インテル社が開発したデジタル画像信号の暗号化の方式です。デジタルコンテンツの不正コピーを防ぐための著作権保護技術です。
PS3はHDMI出力ですが、出力時にはHDCP信号が混ざっています。
そのため、キャプチャーボードがHDCPに未対応だとPS3の映像をPCで録画できなくなります。
また、PS VITA TVの場合も同じ問題が起きるので注意してください。
対策
HDCP対応のキャプチャーボードを購入しましょう。
④ 録画品質
録画解像度/フレームレートが1080p(フルHD)/60fpsに対応した製品を選ぶのが基本です。
特にFPSを実況したい方は、fpsにはこだわりましょう。
4K対応のキャプチャーボードもありますが、解像度が上がる分、データ容量も大きくなります。
なので、無理して4K対応にする必要はありません。
Q&A

購入にあたって思い浮かびそうな疑問をリストアップしました。
なぜキャプチャーボードが必要なのか?
ゲーム機にはそもそも録画機能が備わっていなかったり、録画機能が備わっていても不十分だったりします。
そのため、キャプチャーボードを利用します。
Switchの録画機能(キャプチャーボタン)じゃダメ?
以下の理由によりダメ。
- 録画時間が最大で30秒
- 録画禁止区間の存在
- 録画に対応していないゲームがある
- 最大100本分しか録画できない
- 解像度の制限
Switch Liteしか持ってないんだけど……
Switch Liteは携帯性に特化しており、キャプチャーボードで録画することはできません。
どうしても収録がしたい人は、あきらめてSwitchを購入しましょう。
PS4のシェア機能ではダメ?
Switchと比較すると現実的。ですが、Switchと同じような問題もあります。
- 最大60分の録画時間
- 録画禁止区間の存在
- フレームレートの制限(PS4は最大30fps)
以上を考慮し、「PS4では不十分」と思ったらキャプチャーボードを購入しましょう。
なぜPCゲームではキャプチャーボードが要らないの?
キャプチャーボードは、TVゲーム機とパソコンをつなぐために使う機器です。
PCゲームでは、ゲーム機がパソコン本体なので必要ありません。
ゲーム機=パソコン → キャプチャーボードは不要
ゲーム機≠パソコン → キャプチャーボードが必要
PCゲームの録画・実況をする場合、キャプチャーボードではなく、キャプチャーソフトを使います。主要なキャプチャーソフトには、以下のものがあります。
- Bandicam
- ロイロ ゲームレコーダー
- ShadowPlay
- ゲームバー
- OBS studio
補足
上で説明したキャプチャーソフトは厳密には「デスクトップキャプチャーソフト」と言います。
また、キャプチャーボードを購入した場合もキャプチャーソフトは必要になります(ビデオキャプチャーソフト)。
キャプチャーボード選びのために役に立った動画
さっさん
YouTubeで色々な動画を探したけど、さっさんの動画がベストでした。必見。
まとめと購入テンプレ

以上、簡単にですが、キャプチャーボードの基礎知識を解説してみました。
参考になれば幸いです。
- PCのスペック
- ゲーム機の種類
- 録画か生配信か
- 配信予定のゲームジャンル
上に挙げたポイントを意識しながら購入すると、失敗しづらいと思います。
購入テンプレ
脳死で購入したい人は、以下のテンプレを参考にしてください。
外付型(USB3.0)
ソフトウェアエンコード方式
HDMI端子
パススルー出力搭載モデル
1080p(フルHD)/60fps以上対応
あとは、キャプチャーボードを利用する状況を考えて、条件をカスタマイズしていきましょう。