書評

イケハヤの本読んだけど、もっと早く読んでおくべきだった【武器としての書く技術】

武器としての書く技術




超有名ブロガー・YouTuberであるイケハヤ氏。

今さら感がすごいですが、彼が著した『武器としての書く技術』を読みました。

結論から言えば、買ってよかったです。

インフルエンサー界隈というのは、正直怪しい。そんなインフルエンサーの一人であるイケハヤ氏ということもあり、著作も何となく遠ざけていたのです。しかし! もっと早く読めばよかった。

イケハヤ氏はライターとして、やはり優秀ですね。

 

 

気になった箇所をピックアップ&メモ。



気になったポイントと感想

新時代の文章術に必要な4つの力

次の4つです。

 

  • スピード感
  • コピー力
  • 引きつけておく力
  • リピートしてもらう力

 

ライティングのスピード感って大事ですよね。

下3つは、(職業)ライターには耳が痛い言葉かも。

「引きつけておく力」とか「リピートしてもらう力」というのは、つまり営業力じゃないですか。

(職業)ライターには、営業とか対面でのコミュニケーションが苦手だからこの仕事をしている、と言う人も多いと思います。

だけど、ライティングでも営業力が大事。

うぐぐ、わかってるんだよぉ、そんなことはぁぁぁ……。

どこまでいっても、営業からは逃げられませんね。

 

さて、以上の4つに加え、感染力が必要とのこと。

 

あなたの書いた文章が口コミになって、多くの人に読まれ、大きな波を起こすためには、感染力が必要です。つまり、読んだ人が誰かに薦めたくなるような文章です。もしくは、反感を持って意見したくなったり、賛同してコメントしたくなる。そういう文章を書く必要があります。何の感情も引き起こさないような、他の誰にも話したくならないような文章はこの世に生まれた意味がない、と言っても言いすぎではないでしょう。

 

ふむふむ。確かにその通りです。

でも、感染力がある文章というのは?

どんな文章が他人に薦めたくなったり、コメントしたくなるのか。

 

イケハヤ氏は特に言及していませんが、感染力とは問題提議かと。

何か世の中の問題について、鋭くツッコミを入れるような記事。

何だかおかしくない? 変だよね? と疑問を投げかける記事。

そういう記事が感染力のある記事です。

 

例えば、当ブログでは、以下の記事がバズりました。

1日で3000人以上に読まれた記事です。

 

 

JeSUの問題点について、ツッコミを入れたらtwitterで拡散されました。

 

世の中には問題が溢れています。

皆「もやもや」を抱えていて、そういう言葉にならない「もやもや」に対して適切な言葉を求めています。なので、ブロガーでもライターでも、書くことに関わる人は、その何だかよく分からない感情や概念を翻訳して、他人とコミュニケーションがとれるように何かしら言葉という形を与えてあげる必要があります。

感染力は大事ですね。私も意識しなければ……!

 

残念な文章の特徴

「文章が残念な人の10の特徴」から気になったものを抜粋。

 

多方面に気を使いすぎて何が言いたいかわからない

 

あ、これ私のことだ。

イケハヤ氏は炎上ブロガーとして名を馳せましたが、それは常に本音で語っているからできること。

 

文章を書く時には、「マーケティングが云々」とか「ペルソナが大事」とか言われます。

でも、それ以前の問題として、自分の言葉を臆することなく伝えようとする勇気が必要です。

マインドがぶれていると、文章のターゲットを定めても、軸のない文章になります。

 

公開の恐怖

多方面に気をつかうのは、炎上が怖いから。

少なくとも私はそう。

正直、どの記事もありったけの勇気を振り絞って書いてます。

 

誰も傷つけない無味無臭のテキストは、誰の心にも刺さらないテキストです。文章を書いて、何かしら人の心に届かせたいと願うならば、誰かの目を気にしていてはいけません。一切誰も傷つけたくないと思うのならば、刺激的で面白く、価値のある文章を書くことは難しいでしょう。

 

人の目を気にしないで書く、ですか。

まだまだ、たどり着けない次元ですね。

 

凡人の文章を最強の文章に変える10の魔法

次の10個です。

 

  • 「編集者」になって自分の文章を添削する
  • 読者の思考を先回りする
  • 記事のタイトルを工夫する
  • 人目を引きやすいマジックワードを文章に混ぜる
  • ワンテキスト・ワンテーマの法則
  • 半径3メートル以内の言葉を使う
  • ネットでウケる文脈を意識する
  • 名言などの引用を混ぜてみる

 

気になったのは、これ。

 

ワンテキスト・ワンテーマの法則

 

文章を書いていると何でも詰め込みたくなる病。なんなんでしょうね。

 

広告を掲載しているブロガーはこの傾向が強いんじゃないですかね。

おそらく、SEOが原因。

今はどうかわかりませんが、以前は長文であればあるほどサイトの順位が上がりやすい傾向がありました。なので、どうでもいい内容を長く書くというのが(稼ぎたい)ブロガーのやり方でした。

しかし、長く書くと、ほぼ100%文章の軸がぶれます。また、集中力も切れます。

 

本当は、文章というのは、引き算です。出来上がった文章には必ず余分な部分があり、それを取り除いていく必要があります。彫刻と同じですね。ですから、短く伝えられたら、その方が絶対にいいですよ。

以下、イケハヤ氏の意見。

 

文章を通して何かを伝えるときには、「パッケージ」を意識しましょう。自分の知識や体験を切り出し、まとめ、タイトルをつけ、読んでくれる誰かにパッケージとして届ける。そんなイメージです。
その意味で、文章、特にブログ記事は「贈り物」に似ています。人々が集う広場に「これ、誰かが役立ててくれるといいな」と受取人の顔を見ずに、プレゼントをそっと置いておくような、小粋な贈り物です。

 

パッケージという考え方、いいですね。

パッケージを意識すれば、文も自然とまとまってくるし、コンパクトになりますね。

 

よし、今日から、私もパッケージを届けるんだ……!

 

他に気になった項目を1つ。

 

半径3メートル以内の言葉を使う

 

「半径3メートル以内の言葉」はイケハヤ氏なりの比喩で、ようするに「難しく書かず、簡単に書こう」ということです。

具体的には、専門用語や四字熟語・故事成語などを省いた文章作成です。

ライター的には楽ですよね、専門用語とか四字熟語を使うのは。短く簡単にメッセージが伝えられますから。

しかし、そのメッセージが伝わるのは、四字熟語や専門用語を知っている狭いグループのみです。

研究者はそれでいいと思いますが、ブロガーには別の書体が必要です。

しかし、簡単に書く方が難しいですよね。語彙の少ない小学生に勉強を教えるのが難しいのと似ているかも。

 

下書きをためない

グサッときました。

 

経験上、下書きになった文章は、非常に高い確率で、そのまま眠り続けます。10本下書きがあったら、8本はお蔵入りになるでしょう。せっかく自分を露出するチャンスを生み出せそうになったのに、これではもったいないです。

100%の文章を出す必要はありません。50%の完成度を超えていたら、とりあえず出してしまいましょう。所詮は一個人が書く文章ですので、そのことによるマイナスは、ほとんどありません。

 

このブログの下書き、すべて合わせたら50記事は超えてます。

書いている途中で「なんか違うな……」と思って、放置&放置!

後で出すかと思えば、出さずじまい。

ボツになった下書きはそのままゴミ箱行きにしてました。

意識しないと、すぐ完璧主義になりますね。

よし、ボツにせず出そう。

 

自分を表現して「個人」を取り戻そう

以下がこの本で一番共感したポイント。少し長いけど、引用します。

 

人間、社会を生きていると、それだけで自分というものが希薄になってしまいがちです。

会社に行けば上司の命令を聞いて、怒られないように淡々と仕事をこなすだけ。自分の意見なんて求められていないので、ただひたすら鈍感になり、ニコニコとマニュアル通りの仕事を繰り返す。極論、そこに「自分」はありません。

家に帰れば、誰かがつくった楽しいコンテンツが、自分の気を紛らわせてくれます。つまらないと思ったものは見なければいい。面白い何かがあれば、それを消費する。コンテンツが尽きることはありません。ただひたすら画面を見て、笑い、泣き、あー楽しかった、共感した、感動した……と、床に就く。やはり、ここでも「自分」は不在です。自らを表現し、新しい価値を生み出すことない、ただひたすらに消費者的な態度です。

ブログを用いた自己表現というのは、「希薄になった自分の濃度を高める作業」です。

ぼくらは幼いころから「人が嫌がることをしてはいけない」「みんな一緒が理想」「先生(年長者)の言うことは無条件で聞かなければいけない」などなど、「自分」を希薄にさせるような教育を受けてきました。

個性が大切だ!という教育的なお題目はあれど、いざ実際に個性を発揮しようとしたら、周囲から同調圧力がかかり、結局「みんな一緒」であることを強要されるのが、日本社会です。

ーー中略ーー

ブログを書く効用のひとつは、「ほとんど無意識に『和』を演出しようとしてしまう自分の存在」に気づけることです。

ーー中略ーー

ブログで婉曲的な語法を使う人たちは、単に自分を守ろうとしているだけです。「和をもって尊しとなす」のは、「みんなのためを思って」ではなく、「自分が叩かれたくないから」です。そこに気づかねばなりません。

本当にそう思うのなら、強く断定すればいいのです。自分を希薄化させることはありません。言葉を濁すのは、叩かれるのが怖いからです。個性を発揮するのを、恐れているからです。

会社や学校と違い、ブログでは、個性的であることが許され、さらには歓迎されます。ここでは空気を読む必要などありません。

ブログを書き、まずは自分が「すぐに賢者の皮をかぶろうとする、へっぴり腰の臆病者」であることに気づきましょう。そして、その臆病と戦い、希薄になった自分を取り戻していきましょう。これこそ、ブログを書く最大の目的です。

ーー中略ーー

ブログを書くことの目的は、自分のなかの「わがまま」に火をつける、といってもいいでしょう。ぼくたちはもっと自分のなかに潜む「わがまま」に許しを与えてあげるべきです。

ーー中略ーー

組織の枠を超えて人々をつなぐインターネットを用いれば、自分のわがままを許してくれる空間を、自らの手で作り出すことができます。

 

自己回復の手段としてのブログは、お金稼ぎの手段としてのブログより価値があります。お金は、あくまで副次的なもの。

もう少し大きな視点で言うと、ブログだけでなく、表現活動には、「ダメージを受けた自己を回復する」という側面がありますよね。

できあがった作品は自己回復の結果。私たちが他人の作品に共感するのは、作品を通して、制作者が行った自己回復のプロセスを無意識に追体験しているからです。

ブログをセラピー的に用いる。自分のために書いたコンテンツがいつの間にか他人を助けている。そういう一連の感情の流れは、とても素晴らしいことだと思います。

 

古い本ですが

この本が出版されたのは、2013年。ブログブームの真っ只中ですね。

そのため情報としてはやや古い本です。

当時と今では世の中も変わっているので、ある程度批判しながら読む必要があります。

とはいえ、2020年現在でも非常に学ぶところが多い本ですね。

イケガミ氏流に言えば、サクッと読めて、サクッとアウトプットできる本かな?

 

ブログ・ライティングというジャンルを超えて、表現活動をしている人なら誰でもヒントが得られる本なので、本当にオススメ。

 

気になった人はぜひ一読してみてください。

 



ABOUT ME
てりたま
いつの間にかライターで生きるようになっていた人。真面目半分、不真面目半分で記事を書いてます。