ゲーム配信アプリMirrativ(ミラティブ、以下「ミラティブ」)の基本情報を紹介します。

当記事に真新しい情報はほとんどないので注意。
ですが、これからミラティブで配信を考えている人やYouTubeとの比較情報を探している人には参考になる記事です。
そのつもりでどうぞ。
実態を調べるうちにメリット・デメリットが浮かび上がってきましたので、その辺りを話したいですね。
考えたいポイントは次の部分。
- 配信大手YouTubeと比べてどうなの?
- 収益化は可能?
- 将来性はある?
先に結論を述べておくと、以下のとおり。
- 純粋に配信やコミュニケーションを楽しむ(=SNS的利用法)ならYouTubeよりおすすめ
- 現時点での収益化は困難
- 事業は成長しているので、将来性はある
ミラティブ、いいよ。
Contents
ミラティブの基本情報

以下がミラティブの基本情報です。
運営元:株式会社DeNA(2018年3/30まで) → 株式会社ミラティブ
サービス開始年:2015年8/28~
アプリの目的:スマホ画面に表示されるゲームやサイトを生配信してコミュニケーションできるアプリ
アプリ名の由来:Mirror(鏡)+ Narrative(物語)
プラットフォーム:iOS・Android
コンセプト:「友達の家でドラクエをやっている感じ」
特徴的な機能:エモモ(=アバターサービス)、エモカラ、ミラティブQ、オーブ・コイン
スタートしてまだ5年経たない若いアプリです。
ミラティブで何ができる?
実況配信ができます。
ゲーム実況がメインですが、ゲーム以外の配信もありました。
- アイビスペイント
- TikTok
探せば他にもあるかも。
ただし、ゲーム配信がメインであることに変わりありません。
特徴的な機能
簡単に紹介。
エモモ
ミラティブ最大の特徴ですね。
各自アバターを作成して、そのアバターを使って配信ができます。
ネット配信での顔出しに抵抗感のある日本人には、とてもマッチした機能ですね。
でも、初期アバターはもっさり感が否めない……。

コイン(無償&課金)で服を購入できますが、ソシャゲのように初心者ログインボーナスが欲しいところ。
エモカラ
エモカラ=エモモ+カラオケ。
「顔に自信はないけど、みんなに歌を聴いて欲しい!」という人のためのサービスです。
今でもVtuberが「歌って見た動画」を公開していますが、エモカラは音楽配信の新たな形になるかも。
オーブ・コイン
収益化の方法のところでもう一度話します。
とりあえず、押さえておくべきポイントはこれだけ。
コイン=ゲーム内通貨。現金で購入
オーブ=コイン化・現金化するためのアイテム
公式サイト

公式サイトはこちら。
イケイケIT企業感がすごい。
YouTubeとの比較

動画配信大手のYouTubeとミラティブを比べてみました。
ツイキャスやふわっちと比較してもよかったのですが、最大手配信サイトとの比較が分かりやすいと思ったので、独断と偏見でYouTubeにしました。
※情報は2020年1月現在のものです。
配信サイト | YouTube | Mirrativ |
配信の目的 | 成り上がり、収益の獲得 | 趣味の共有、コミュニケーション |
配信の画質 | 時間帯による | 時間帯による |
アバター | VTuber | エモモ |
ユーザー数 | 約20億人 | 1000万人弱 |
メインユーザー | 10~20代 | 20代 |
初心者の参入しやすさ | ★★☆☆☆ | ★★★★★ |
収益化の要件 | ・チャンネル登録者1000人以上
・4000時間以上再生/過去12ヶ月 |
特になし |
収益性 | ★★★☆☆ | ★☆☆☆☆ |
最近の動向 | ・子ども向けコンテンツ規制強化
・芸能人参入(国内) |
・35億円の資金調達
・ユーザー1000万に迫る |
上の表を元にして、
- 収益性
- 将来性
- 筆者が実際に利用してみての比較
の3点について分析してみます。

収益性

収益性だけなら、依然としてYouTubeの圧勝です。
企業としては成長しているけど、それがまだ配信者に十分に還元されていないですね。
ミラティブ3つの収益化手段
ミラティブの収益化手段は次の3つ。
その1:ミラティブQ
その2:オーブの現金化
その3:スポンサーからのお金
スポンサーがつくのは大手実況者やプロゲーマー。
大半の実況者にとってはあまり現実的な収益化の方法ではありません。
というわけで、大半の配信者は、その1の「ミラティブQ」とその2の「オーブの現金化」を利用してお金を稼ぎます。
以下ではこれら2つについて説明します。
ミラティブQ
アプリ内で実施されるクイズです。
毎週火曜日・金曜日の20時30分に行われる4択クイズ(全10問)で、全問正解の報酬は1500円分のギフトコード。
正解すると最大で100人まで報酬を受け取れます。
アプリやYouTuberとのコラボ企画なんかがあって、最大100万円の報酬が出たこともあるみたいですね。
実際に収入を稼ぐ手段としては安定性に乏しいので、あくまでサブorお楽しみ要素です。
ただ、10問クイズを解くだけで1500円は「うまい」ですよね。
ビンゴやFXで言う「雇用統計」みたいなものなので、ミラティブに興味のない人もクイズだけ参加してみては?
オーブの換金
実況者が報酬を得る最も現実的な手段が、オーブの換金です。
先にも説明しましたが、オーブは現金化のために集めるポイントです。
楽天ポイントやAmazonポイントみたいなものですね。
規定数まで集めると、オーブをギフトコードや現金に換えることができます。
レートは下記。
- オーブ3000個 → ギフトコードと交換可
- オーブ10000個 → 銀行口座へ振り込み
ということで、オーブをどうやって回収するか? というのが問題になります。
オーブの回収方法
オーブ回収方法は2種類です。
① 配信のデータを元にミラティブ運営がプレゼント
② 投げ銭(ギフトアイテム)
順に見ていきます。
① 配信データを元にミラティブ運営がプレゼント
配信データを元に運営からオーブが配布されます。
- 再生数
- コメント数
- ギフトアイテム購入数
以上の数値が多いほど、配られるオーブも増えます。(ソシャゲのミッションクリア報酬かな?)
② 投げ銭(ギフトアイテム)
リスナーは課金したコインでギフトアイテムを購入し、好きな配信者にプレゼントすることができます。
下図がリスナーから配信者にお金が渡るプロセス。
現金(視聴者)
↓
コイン
↓
ギフトアイテム
↓
オーブ
↓
現金(配信者)
ぶっちゃけ分かりづらい……。
ダイレクトにお金を配信者に届ける形にした方が分かりやすいのに。そんなシステムにはなっていないみたいです。
このあたりはYouTubeの投げ銭の方が優秀ですね。
まあ、多少システムが複雑でも収益化できればいいのですが……。
ミラティブで収益化する際の問題点
当記事の最初に「現時点での収益化は困難」と書きました。
ここで理由を説明できます。
問題点は次の3つ。
① 一番高い投げ銭(ギフトアイテム)が10000円程度
② YouTubeと比べた還元率の低さ
③ 人口
順に話します。
① 一番高い投げ銭(ギフトアイテム)が10000円程度
YouTubeの投げ銭システムであるスーパーチャット(スパチャ)。
これで投げられるお金はマックスが5万円です。
ところが、2020年1月現在、ミラティブは1万コイン(≒1万円)で買えるアイテムが最大です。少ない。
「1万円もゲットできたら十分では?」と思うかもしれません。
ですが、配信者目線では違います。
3万円や5万円がもらえるチャンスがあるYouTubeで配信した方が得ですよね?
それに、視聴者の視点で見ても、マックスが1万円のギフトというのはつまらないですよ。
- 5万円あげようと思ったらギフトを連投しなければならない(やや面倒)
- 大きな金額で配信者や他の視聴者にサプライズできない
普段から配信を見ている人なら分かるはず。大きな金額の投げ銭の方がエンターテイメント性が高いのです。
5万スパチャされた時のコメントの流れって本当にすごい。
配信者の方も「ありがとう」を連呼して、とにかく盛り上がるのです。
こういう熱狂がミラティブでも欲しい。
今後は改善されるかもしれませんが、今配信をするならYouTubeの方がお得です。
② YouTubeと比べた還元率の低さ
配信者への還元率がものすごく低いです。
詳しくはこちらの動画が参考になります(やや情報が古いので、あくまで参考程度にとどめてください)。
動画を見るのが面倒な人のために要点だけ。
① GoogleとAppleがマージンを取っていくので還元率が下がる
② YouTubeやツイキャスの還元率は70%・ミラティブは35%
特に注意すべきは②ですね。
ミラティブは還元率が35%しかありません。
なんとYouTubeの2分の1です。
1万円投げ銭が投下されたと仮定しましょう。
配信者の懐に届く金額を計算するとYouTubeでは7000円。ミラティブだと3500円ですよ。
これ、やばくないですか?
労働時間で考えてみると、より納得できるかと。
YouTubeで配信する時間の2倍は働かないと、ミラティブでYouTubeと同じ利益をあげるの難しいわけですよ。
2倍働いているのに、同じ給料。
時間は有限です。
本当に稼ぎたいならミラティブ以外で配信した方が効率的で楽です。
③ 人口
YouTubeと比べると、ミラティブは圧倒的に人口が少ないですよね。
20億人のユーザーがいるメガコンテンツと1000万人しかユーザーがいないサービスのどちらで配信したいですか? ということです。
配信の規模で見ても、視聴者が数十人〜数百人だけのミラティブと比して、YouTubeでは数千人規模の配信が目立ちます。
数はパワーです。
数が少ないところで何をやっても意味はありません。
なので、単純に収益だけ考えるならミラティブで配信するのは避けるべきです。
将来性

「収益性はYouTubeと比べて悪いのは分かった。でも、将来性はどうなの?」という疑問に答えます。
結論から言えば、将来性はミラティブのほうが上です。
YouTubeというのはレッドオーシャンです。
既に先人たちがやれることをやってしまった感があるので、これから配信をスタートする人が成功するのは無理ゲー。
かなり戦略的にやらないと、絶対にうまくいきません。
それに、YouTubeは成熟したサービスです。なので、どちらかと言えば「将来性がある」というよりは「安定している」と言う方が正確です。
一方、ミラティブはこれから成長していくアプリです。
ウェブ上で公開されるニュースを見てもかなり勢いがあるサービスですね〜。
認知度もユーザー数もYouTubeと比べて低いですが、裏を返せば、ブルーオーシャンだらけです。
「ミラティブの成長とともに自分も成長していきたい」と考える配信者にとっては、最高の場所ではないでしょうか?
esports市場の成長
esports市場の成長もミラティブに追い風です。
最近は各地の中学・高校で「esports部」や「esports同好会」が発足していますよね。
彼らの一部は在学中か卒業後に「ゲーム実況」を始めるでしょう。
また、esportsを肯定的に取り上げるメディアも増えています。
なので、(ニコニコ動画のように悪手を打たない限り)ミラティブの業績が悪化してオワコンになる確率は低いですね。
5Gの到来
5Gの到来で動画体験が変わります。
5G時代では、遅延なしで動画を閲覧できるようになり、ゲーム配信やライブ配信は今まで以上に身近なものに。
当然、ミラティブもその恩恵を受けるでしょう。
5Gでユーザーが増えれば、収益化のチャンスも増えてきます。
アプリの第一印象

さて、筆者も実際にダウンロードしてアプリをいじってみました。
簡単に感想をシェア。
操作性
20分ほど操作した感じだと、配信サイトとしての使いやすさは◎。
操作性のよさが好感触なのは間違いなしです。
数タップで目的のゲーム実況にたどり着けるので、ストレスは全くなし。
配信画質
ラグかったりします。
途中で画質が悪くなることも。
とは言え、YouTubeの配信でもあることなので、気になりません。
5Gを待ちましょう。
配信者の印象
配信者の印象ですが、リラックスして配信している方が多いですね。
ざっと見ですが、配信者は女子高生や大学生が多い印象です。
特徴的なのが、多くの配信者が「〇〇(=ミラティブのアカウント名)さん、いらっしゃい」と声をかける文化。
この文化はYouTubeでもありますが、よりフレンドリーな感じです。
実況者とリスナーの距離感の近さは、確かに運営が掲げるコンセプト(「友達の家でドラクエをやっている感じ」)に近いですね〜。
どの配信に行っても自分のアカウント名が呼ばれるのは、単純に
嬉しい
です。
もちろん、その配信者と会うのは初めてですが、なんだかほっこりしますよ。
承認欲求に飢えている方なんかはハマってしまうかもしれませんw
Lineのスタンプに似たギフトアイテム
当記事で何度か言及したギフトアイテムですが、Lineのスタンプ機能と似ています。

上の画像でキャラメルやハートがポップしていますが、これがギフトアイテムです。
「自分でも配信できそう」感
「ビジネス」「グローバル」「スタンダード」というイメージのあるYouTubeと比べて、ローカル感・アングラ感が強いので、何となく配信しやすそうに感じました。
ニコニコ動画もそうですが、国産のサービスなので、やはり日本人に最適化されているのでしょう。
最後に
以上、ミラティブの基本情報をまとめてみました。
よかったら参考にしてください。