社会には、時期ごとに様々なトレンドがあります。
例えば、タピオカブームやオリンピック等はそれらのトレンドに当たります。
トレンドを押さえると、世の中の動きが見えるだけでなく、「未来はどうなるのか」という展望が分かります。
しかし、トレンドというのは局所的でローカルなものです。
あるいは、短期的なものです。
例えば、タピオカブームは日本に限定されるものですし、オリンピックは4年に1度なので、継続的なトレンドとは言い難いですね。
こうした小さなトレンドに対して、もう少しマクロな視点であるメガトレンドが存在します。
メガトレンドは、局所的ではなくグローバルな動向です。また、持続的かつ長期にわたり作用するマクロな社会の傾向です。
今回は数あるメガトレンドの中から、代表的なメガトレンドを10個紹介します。
Contents
メガトレンドその1:都市化
世界では人口の増加と共に急速に都市化が進み、大規模な都市圏が形成されています。
私たちに馴染みのある東京・横浜都市圏の他、アジアだけで見ても、ジャカルタ、デリー、マニラ、ソウル・仁川都市圏など人口が1000万人を超えるメガシティが生まれ、多くの人々が仕事や刺激を求めて、こうした大都市に流入しています。
都市化による産業の発展やイノベーションにより人々が豊かな生活を享受できる一方、増えすぎた人口に福祉やインフラ整備が追いつかず、トラブルを引きおこすデメリットも生じます。
メガトレンドその2:中流階級の増加
世界的な規模で中流階級が増加しています。
『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』等の書籍でも指摘されている通り、「発展途上国」は消えつつあり、経済力を持つ裕福な人々が増えつつあります。
2020年最も購買力を持った消費者は中流階級の人々であり、企業は彼らのためのサービスや製品に集中しています。
メガトレンドその3:スマートシティの興隆
スマートシティには様々な定義がありますが、IoTの技術を駆使し、効率的なサービスやインフラを実現した都市という点では概ね共通しています。
スマートシティでは、アプリを使って必要なデータやコミュニケーション手段へと即座にアクセスができるシステムが整い、駐車場を探したり交通渋滞を避けたりすることができます。
スマートシティは政府のみが作り上げるものではなく、官民が一体となり、協力し合うことで完成します。
メガトレンドその4:Next11
ひと昔前は「新興市場」と言えばBRICsでしたが、現代社会の注目はNext11へと移りつつあります。
Next11とはアメリカのゴールドマン・サックスによって定義された、21世紀に経済大国に成長すると考えられる11の国々です。
- イラン
- インドネシア
- エジプト
- トルコ
- ナイジェリア
- パキスタン
- バングラデシュ
- フィリピン
- ベトナム
- メキシコ
- 大韓民国
以上の国々がNext11を構成します。
どの国も政治や地政学上のリスクを抱えますが、投資対象として魅力的な国々なのは確かです。
そのため、金融機関や投資家から有望な国々として期待されています。
メガトレンドその5:女性の社会進出
女性の社会進出がますます盛んになります。
2020年には世界的企業500社のうち30社で女性がトップに立ち、ビジネスにおける意思決定に女性の力が大きく関与します。
日本国内でも女性の活躍は大きく報道されています。
東京商工リサーチによると、女性社長は2010年からの8年で21万人から41万人になったと報告されています。
女性がリードすることで、女性向けサービスや女性をターゲットとした商品開発が期待されます。
メガトレンドその6:逆頭脳流出
「頭脳流出」と言えば、アメリカのような先進国に自国から優秀な人材が流れていくことを意味します。
しかし、近年は逆の流れがあり、先進国で得た経験や知識で自国に貢献するために、海外に出た人々が次々と帰国しています。
この現象はインドや中国といった国で顕著であり、労働力バランスの変動が経済に大きな影響を与えると予測されています。
メガトレンドその7:ロボット工学
ロボット工学が隆盛しています。
AIを用いた高度なロボット技術はAmazon等で既に実用化されていますが、企業だけが活用するものではなく、家庭や個人で活用する時代が到来します。
私たちにとって最も馴染みのあるロボットはルンバですが、家事支援ロボットの研究も進んでおり、2020年夏にはugo(ユーゴー)と呼ばれるロボットによるサービスも開始されます。
メガトレンドその8:クラウドコンピューティング
クラウドコンピューティングは以前からあるメガトレンドですが、継続して大きなトレンドであり続けます。
クラウド経由で配信されるサービスによって、運用コストの削減がリソースのスケーリングが容易になります。
メガトレンドその9:ミレニアル世代の活躍
1980年代以降に生まれた(定義は人によって異なる)ミレニアル世代が社会を動かします。
ミレニアル世代の特徴づける言葉は以下のとおりです。
- 起業家精神
- デジタルネイティブ
- 多様性
- 個人主義
- コストパフォーマンス
- シェアリングエコノミー
- 地域貢献
社会の中での影響力や購買力の面で決して無視できない存在であり、世の中の価値観も彼らが考える価値観に合わせて大きくシフトします。
メガトレンドその10:スポーツ
意外かもしれませんが、メガトレンドの1つとしてスポーツがあります。
特にeスポーツ市場は拡大を続けており、企業の注目が集まっています。
eスポーツの熱心な消費者(=視聴者)は、先ほど紹介した「ミレニアル世代」であり、彼らの動向に合わせてeスポーツ広告スポンサーシップが整備されています。
企業は若者をターゲットとするだけでなく、eスポーツに関心を持つ層を拡大するなどスケールアップを図っており、この流れは今後ますます盛んになります。
終わりに
以上、簡単にですがメガトレンドをまとめてみました。
当記事で紹介したものの他にもメガトレンドは複数存在します。
自分の関心やニーズに合わせて自分なりにメガトレンドを整理し、ビジネスや生活で活用しましょう。