文章が書けないことがストレスになっている人には発想の転換が必要です。
短く書く
「文章が書けない」と言っている人で一文字すら書けないという人は稀で、実際には「文章は書けるが、指定された長さで書けない」という人が大半です。
「500字程度ならなんとか頭から文字をひねり出せるが、1000字になるときつい」というのが本当の問題で、そういう場合は自分の固定観念を変えると問題が解決します。
つまり、500字書けたならそれでOKと考え、一旦そこで「まとまったアウトプットができた」と割り切ってしまうことが重要です。
完璧主義の人はここでどうしても躊躇してしまいます。「1000文字書くと決めたら、何がなんでもそれ以上でなければならない」というふうに。
でも、文章を書くというのは(たとえ書く内容が機械的なマニュアルであったとしても)少なからず精神的な作業です。
ゆえに、その日の気分や体調によって、ある程度まで筆の調子がどうなるかは決まってしまうのです。
ですから、500文字しか書けないと言ってストレスを抱える必要はなく、「まあ、そんな日もあるさ」と割り切ってしまうのが吉です。
短く書く=いいこと
そもそも短く書くのは悪いことではなく、むしろいいことです。
短く簡潔にまとめられるなら、それは自分の言いたいことを要約する力がある証拠であり、むしろ誇るべきことです。
あるテーマで文章を書いて500文字で満足したとしたら、自分の脳が「これでOK」と判断した証拠です。
ですから、気持ちとしては腑に落ちなくても、さっさと切り替えて次のテーマについて書きましょう。
長文が書けるタイミング
短く書くのがいいことだとしても、実際にはどうしても指定された長さで書かなければならないことがあります。
大学や仕事のレポートでは字数が指定される場合があります。書評等に文章をまとめる際にもある程度字数が決まっているケースがほとんどでしょう。
そうした場合でも、いきなり指定された文字数で書こうとするのではなく、むしろ短い作品をいくつも作ることを意識します。
短い文章のまとまりをたくさん作っていると、不思議なもので、長文を書けるタイミングが訪れます。
一度ペースをつかむと、文章が書けないストレスとは無縁で作業ができます。
たとえ5000字であっても1万字であっても、平気で書けるはずです。
とにかく、大切なのは、長文が書けるタイミングが訪れるまで決して「書く」という営みを止めないことです。
止めてしまうと、永遠に長文を書く機会は訪れません。
「自分の言葉で書く」の具体的な意味
文章が書けない人に送られるアドバイスとして、「自分の言葉で書け」というものがあります。
ですが、「自分の言葉」と言われても具体的にイメージできる人は少ないはずです。
そのため、大抵の人は「自分の言葉で書こう」と意気込むだけで終わってしまいます。
では、「自分の言葉」とは具体的には何を指すのでしょうか?
自分の言葉とは以下の要素のことです。
- 自分が持っている語彙・文章の型
- 自分が知っている知識・知恵
「文章を書く」とは、自分がそれまでの生活で蓄えた語彙を使って自分が学んだ知識や知恵を表現するということです。
文章を書くことにストレスを感じている人は、この定義をよく考えてください。
- 他人が使っている語彙・文章の型
- 他人が知っている知識・知恵
自分のライティングに以上の要素を混在させてしまうと、文章を書く(仕上げる)のは難しくなります。
確かに自分が書く文章は(達筆な)誰かと比べて稚拙かもしれませんが、それでも自分の内側から出てきた言葉で何かメッセージを伝えることができれば十分なのです。
ですから、自分がもっている表現方法に頼って文章を書きましょう。
繰り返しへの恐怖
同じテーマを何度も書くことに恐怖すると、文章が書くことにストレスを感じます。
長文が書けなくて悩んでいる人は、同じテーマについて言及することに無意識に抵抗感を覚えています。
しかし、何度も繰り返し同じテーマについて語ることで文章は洗練されていきますし、テーマの細部まで記述することができるようになるので、出来上がった文章が自分の望む形になる確率が上がります。
ですから、「繰り返しはいけないこと」という自分で作ったバリアを突破するのが大事です。
終わりに
文章を書くのは楽しい作業です。
ストレスを感じないように工夫をして文章を書きましょう。