生活

消費増税10%で得をするのは誰か?



10月から消費増税(10%)が実施されるので、よい機会だと思い、財務省の資料に目を通していました。

なぜ消費増税が行われるのか?

消費増税の目的は何でしょうか?

その理由について、財務省では以下のように説明しています。

 

社会保障は人生のあらゆる場面でのリスクに対して、社会全体で助け合い、支え合おうとする仕組みです。その費用は保険料でまかなうことが基本ですが、保険料のみでは働く現役世代に負担が集中してしまうため、税金や借金も充てています。このうちの多くは借金に頼っており、私たちの子や孫の世代に負担を先送りしている状況です。

日本は速いスピードで高齢化が進んでおり、高齢化に伴い社会保障の費用は増え続け、税金や借金に頼る分も増えています。現在の社会保障制度を次世代に引き継ぐためには、安定的な財源の確保が必要です。

みんなが受益する社会保障の負担は、あらゆる世代で負担を分かち合いながら今の世代でまかなう必要があります。また、少子高齢化という最大の壁に立ち向かうため、従来、高齢者中心となっていた社会保障制度を拡充し、子育て世代のためにも使えるよう「全世代型」に転換していかなければなりません。そのためには10%への消費税率の引上げが必要です。

消費税は、現役世代など特定の世代に負担が集中せず、税収が景気などの変化に左右されにくく、企業の経済活動にも中立的であることから、社会保障の安定財源として適しています。

参照よくある質問:財務省

 

つまり、消費増税の目的は大きく分けると次の2点です。

 

  • 高齢化対策
  • 少子化対策

 

では、消費増税によって行われる具体的な政策は何でしょうか?

財務省のホームページでは以下のように説明されています。

 

  • 待機児童の解消(少子化対策)
  • 幼児教育・保育の無償化(少子化対策)
  • 高等教育の無償化(少子化対策)
  • 介護職員の処遇改善(高齢化対策)
  • 所得の低い高齢者の介護保険料の軽減(高齢化対策)
  • 年金生活者支援給付金の支給(高齢化対策)

 

こうしてみると、少なくとも表面上は、子どもをもつ現役世代から老人世代までまんべんなく社会保障が行き渡るシステムのように見えます。

 

現役世代・高齢者の不均衡

では、財務省が言うように、実際に税収は「全世代型」として平等に使われるのでしょうか?

現在の社会保障費の配分は、果たしてどのようになっているのでしょう?

今の社会保障関連費がどのような内訳になっているのか確認すれば、今後(増税後)の展開も見えてきますよね。

 

そんなわけで、適当にググってみたら、厚生労働委員会調査室・西尾真純氏による平成31年度(2019年度)社会保障関係予算という資料が出てきました。

円グラフどーん!

 

 

ふむふむ。2019年、つまり、今年の社会保障関係費の内訳をみると、年金(35%)・医療(35%)・介護(9%)ですね〜。

「年金」・「介護」は高齢者と関わる項目です。

また、「医療」も病気にかかりやすいのも当然高齢者ですよね。

例えば、厚生労働省の概算医療費の資料(平成29年度)の「一人当たりの医療費の推移」を参考にすると、75歳未満の22.1万円に対して、75歳以上の医療費が94.2万円なので、おおよそ医療費の80%は75歳以上によるものです。

ということは、社会保障予算の「医療」(35%)についても、その80%(つまり28%)は老人のために使っていると考えてもよいでしょう。

 

すみません、説明がくどくなりました。

要するに、年金と医療と介護の割合を合わせると72%なので、社会保障費の7割は高齢者に費やされているわけですね。

 

一方で、現役世代向けの社会保障である少子化対策費は7%です……。

 

まとめると、現役世代にかける予算の約10倍を高齢者に費やしていると推論できます。

 

まあ、知ってましたけど。

これだと、「日本死ね」と言いたくもなりますよ。

 

もし消費増税が本当に「全世代型」を標榜するのであれば、現状の不均衡を是正して、少子化対策費を大きく引き上げなければなりません。

しかし、社会保障関連費の予算比率が令和2年度に大きく変わるとも思えませんし、引き続き高齢者のために多くの税収が使われることは容易に推測できます。

 

本音と建前

高齢化の推移に関する予測が内閣府から発表されています。

 

 

高齢者の数は今後ますます増えていきますし、政府の立場になってみると、高齢者向けの社会保障費対策が急がれるのはよく分かります。

で、その手段のひとつとして消費増税がある、ということですね。

繰り返しになりますが、今回の消費増税も「全世代型」というのは建前で、政府の本音は「高齢者向け」なのでしょう。

 

まあ、知ってましたけど(2回目)。

 

このままでいいのか?

「少子高齢化」とは言いますが、「高齢化」には多くの予算が割かれる一方で、「少子化」にはほとんどお金が使われていません。

こんなことを書くと炎上しそうですが、高齢者向けの社会保障費の負担は高齢者がするべきです。

そもそも、老い先短い高齢者と未来ある子どもたち、どちらに価値があるかと言えば、明らかに子どもたちですよね。

ですから、増税するのは結構ですが、もっと手厚く現役世代に対しても支援をするべきです。

 

近年、日本社会について「緩やかな自殺」「ゆでガエル」という表現が用いられ揶揄されることがありますが、今回の消費増税にはこうした表現がピッタリだと思います。

 

増税しなくても……

書いていてふと思いました。

実は、高齢者の数が減れば増税は必要ないんですよね。

こんなことを書くのはタブーかもしれませんが……(炎上しそう)

 

健康寿命と平均寿命の差に大きな差があることからも明白ですが、長生きすることが幸せとも限りません

 

 

平均寿命と健康寿命の差がおよそ10年あるということは、つまり、10年間は何らかの疾病で苦しんでいるということです。

想像してみて欲しいのですが、病院で人工呼吸器をつけながら、寝たきりで生きながらえることが果たして幸福でしょうか?

あるいは、寝たきりにならなくとも、認知症や長引く介護で、家族やご近所に迷惑をかけるのは幸せでしょうか?

 

強い論調の意見もありますが、こうした意見も無視せず、高齢者も現役世代も一緒になって考えていくべき問題だと思います(リンク先の記事、よくまとまってます)。



終わりに

少子高齢化対策として税の負担が増えるのは仕方ないですが、私たちにも生活があるので、増税に対して、何かしら自衛する手段を考えるのはもはやマストですね(今後また消費増税が無いとは限らない)。

大変ですが、頑張っていきましょう。

 



ABOUT ME
てりたま
いつの間にかライターで生きるようになっていた人。真面目半分、不真面目半分で記事を書いてます。