フリーライターで記事を書いてしばらく経ち、ライター業界の闇のようなものが見えてきました。
エンジニア界隈だとよく見聞きする下請け問題ですが、ライティング業界にも同じ問題があると気づいたのです。
そのため、フリーライターの皆さんは本来貰うべき収入を獲得できていない可能性があり、これからライティングで収入を得ようと考えている方は、一度この問題について考えておくと今後の活動が楽になるのではないかと思います。
副業でのライティング活動も増えているそうなので、注意喚起の意味も兼ねて文章にまとめてみます。
下請け構造
クラウドソーシング等でよく囁かれるのが「クライアントと直接契約しろ」というアドバイスです。
クライアントと直接契約すると、余計なペイをクラウドソーシングの運営先にもっていかれることが無くなるので、収入が増えるというのがその理由です。
イメージ図は下の通り。
クライアント
↓
ライター
ところが、このクライアントも別のクライアントを抱えていて、そのクライアントから受注を受けている可能性があります。
わかりづらいので図解。
↓
クライアントB
↓
ライター
図を見ると、見事な下請け構造ができていることが分かります。
本来あなたが契約するべきクライアントはAなのですが、Bと契約してしまっているのですね。
つまり、たとえクラウドソーシングを利用しないとしても、ライターにデメリットのないライティング活動ができているとは限らないのです。
で、何が問題なの?
「ほーん、別にええやん。IT業界みたいな深刻な多重請負構造もないし」
と思うかもしれませんが、問題点はライターの収入が下がることです。
企業はできるだけ安い価格で外注したいので、ライターにかける費用を抑えようとします。
すると見事に「1円未満ライター」が出来上がります。
でも、ライターは、もっと報酬を貰っていいはずなのです。
かなりぼかして言いますが、例えば、私が知っているある企業はライターに0.4円/1文字しか払わない一方で、クライアントからは6円/1文字を受け取っていました。
非常に大きなギャップですね。
つまり、本来であれば6円/1文字払ってもおかしくない難易度のライティングを、ライターは非常に安い値段で請け負っているということを意味します。
「どうせあんたの妄想だろ?」
と思われるかもしれませんが、これは決して私の妄想ではなく、少し手間をかけて調べれば誰でも気づくことです。
こうした状況には不当と言わざるを得ません。
クライアントはボッタクられている
この問題はクライアントにも考えて欲しいのです。
というのは、クライアントも業者を通すことで余分に費用をかけているからです。
つまり、ボッタクられています。
確かに業者に依頼すれば、校閲の問題等をある程度までクリアできます。
個人ライターに依頼するよりも安心できるという心理的側面もあります。
しかし、それでもフリーライターとフリー校閲者の2人と契約するほうが、業者を通すよりずっと安く済ませられます。
信頼できるパートナーを見つけてその人に受注し続けた方が得なのです。
また、「自分で文章をチェックしたい」という意思を持つクライアントなら、校閲者を雇う費用もかかりません。
したがって、さらに費用を抑えられます。
唯一の例外は、医療記事等の専門性が高いライティングです。
こうした記事は多少値段が高くても業者を通した方がいいかもしれません。
しかし、単純なウェブコンテンツの制作やホームページのインフォメーション文章の制作であれば、個人のフリーライターと契約した方が割安になります。
修正依頼も楽
文章の修正を依頼する場合を考えてみても、クライアントが業者を通さずにライターと直接契約をするのにはメリットがあります。
クライアントはライターにダイレクトに修正の意思を伝えることができるので、ライターもクライアントの意見を正確に汲み取り修正を施すことができます。
しかし、余計な業者が入っていると、意見の伝達が伝言ゲームのような形になり、クライアント本来の意思がライターまでうまく伝わらないのです。
出来上がったものが意図したものと全く異なる形になるのを防ぐためにも、ライターと直接契約するメリットは大きいのです。
まとめ
副業ライターも専業ライターも、経営者の目線を持つことが求められます。
本当に収益を最大化できているのか、どこかに落としてきた利益がないのか、今一度考えてみましょう。