今回は少し真面目な話です。
最近、twitterをよくウォッチしてるのですが、クッソくだらない思想の対立を目にすることがよくあります。
- サラリーマン ⇔ インフルエンサー(フリーランス)
- 右翼 ⇔ 左翼
- SIer ⇔ Web系
- 海外に住む ⇔ 日本に住む
- 貧乏人 ⇔ お金持ち
- 男性 ⇔ 女性
学生運動の時代のような二項対立の時代にまだ生きているのか? と思ってしまいますね。
対立するそれぞれの要素には、それぞれ良い面と悪い面があると思うのですが、どうも「一方的にあちらが悪い」という感情論を展開する人がけっこういらっしゃるようです。
揶揄や皮肉はいいと思うんですよ。ユーモアがあるので。
キャラクターとしての「ポジショントーク」も、「それはキャラクターである」という了解が読み手の中でできあがっていれば、立派なエンターテイメントとして成立します(イ〇ハヤさんとか肉〇さんがこれ)。
みんなが認めるルールから逸れたものに対して、プレッシャーをかけるのもよいでしょう(「○○会社は労基法を違反しているからダメ」という主張)。
対立する陣営の「良くない」点を論理的に批判するのもいいと思います。
ただ、怒りのままに感情論に終始している人も大勢いて、それはちょっと違うんじゃないかと思ってしまうんですよね。
感情からメッセージを発してしまうのは日本人らしいというか、そういうのは議論になりませんからね。
「○○という面はいいと思うけど、××という点は直した方がいい。直すためには△△をしてみたらどうだろう?」というのが理性的な議論です。
でも、「○○はダメ」と言うだけではフェアな議論には発展しません。
昔養老さんが『バカの壁 』で指摘したように、一方的な発言をする人はただの原理主義者と変わりありません。
相手の立場を認めないまま何か発信しても、ただのヘイトスピーチであり、そういうのはWeb環境にとっても良くないと思います。
「Twitterなんて5chと変わらない便所の落書きだろ」
と言う意見は一理ありますが、5chとは異なり本名で活動している方もいますし、もう少しパブリックな場として配慮する必要があります。
もちろん、「お前はできているのか?」と言われれば、私ももっと気をつけなければならないのですが……。
(私も感情的なツイートをしているときがあるので、今回の記事は自戒も込めて書いています。)
感情論は「気持ちいい」
人々の間で感情論が流行るのはなぜか?
それは単純に、感情論を展開するのが「気持ちいい」からです。
感情を利用すると、承認欲求が簡単に満たされます。
twitterでは「いいね」や「リツイート」が麻薬のように脳を刺激します。
感情というのは強烈なエネルギーを持っているので、そういう発言をすると簡単に支持者も集まります(例えば、「日本死ね」はメディアでも取り上げられるようになりました)。
ですから、老獪な政治家やインフルエンサーは感情から人を動かそうとします。

もっと言えば、感情論は「楽」なんですよ。
なぜなら、対立する立場について丁寧に考えなくていいからです。
相手の立場に立って思考するのは面倒ですからね。誰だってやりたくないのです。
思考というリソースを割かなければ、論理的な議論は成立しません。
でも、思考は苦しい。
だから、感情だけで語ってやろうという発想になります。
感情論は無視しよう
それにしても感情論にはうんざりしますよね。
例えば、「フリーランスと会社員の立場の違いは、生き方の選択の違いに過ぎない」と理性的に考えている人が、「会社員はクソ」という意見を目にしたらげんなりすると思います。
なぜそんな風に断定できるのだろう? と。
では、感情論にげんなりしないためには、どうしたらいいでしょぅか?
それには、感情論が出てくる背景を考えつつも、そうした意見を相手にしないようにするほかはありません。
そして、なるべく理性的に発せられた議論に目を向ける必要があります。
twitterにはよい観点の意見もたくさんあるので、できるだけそうした意見に集中するのが大事です。
時間は限られていますし、ツイートの取捨選択というのはこれから増々重要になりそうですね。