
FXで重要なことのひとつに「記録をつける」というのがありますよね。
優れたトレーダーの方々は口を酸っぱくして「毎日のトレードの記録をつけろ」と言います。
- 記録をつけているうちに自分のトレードの癖がわかる
- 同じような失敗をしていることに気がつける
- ポジポジ病の防止になる
記録をつけることには、こうした様々な利点があると彼らは言います。
経験者が何度も繰り返し記録をつけろと言うので、FXの初心者は「そういうものなのか」と思って記録をつけ始めます。
が、しばらく記録をつけてみても、どうもトレードが上達しているような気配がありません。
確かに、同じような失敗をしていることに気づいて修正をしたり、ポジポジ病の抑止にはなっています。
でも、相変わらず利益は出ないし、毎月損失を出してフィニッシュしています。
で、こうなってくると、「記録をつけても意味がない」という結論を下してしまいます。
優れたトレーダーが「言わないこと」
実は「記録をつけろ」と優れたトレーダーが言うときに、言い落していることが何点かあります。
彼らは無意識にそれをやっているので、特別に言及しようとは思わないんですね。
よくよく振り返ってみて欲しいのですが、「記録をつけろ」と言っているトレーダーの人で「何を」「どのように」記録したらいいのか詳細に説明してくれる人はほとんどいません。
なぜでしょうか?
実は、記録のつけ方や方針というのは、トレーダーごとに異なるからです。
言い換えると、記録は「トレードに関するどんな情報を得たいか」によって変わってきます。
夏休みの自由研究とFXトレード
タイトルにも書きましたが、記録をつけるときには、夏休みの自由研究を思い出してみるといいでしょう。
夏休みの自由研究を行うときは、どのようにやっていましたか?
周囲を観察
↓
疑問をもつ
↓
仮説を立てる
↓
仮説を証明するデータを集める
↓
データを集めた結果を考察する
↓
結論
おおよそこういうプロセスをたどっていたはずです。
大事なのが、「疑問をもつ」と「仮説を立てる」の部分。自分のトレードの問題点がどこにあって、それに対してどういうアプローチをすれば、問題を解決できる可能性があるのか。
これが無くては、そもそも情報収集はできません。
で、これが熟練トレーダーが行っていること。
仮説を立てて検証するプロセスを無意識にやっているのですね。
ところが、初心者FXトレーダーはこの過程をすっ飛ばしていきなり情報を集めようとし始めます。
pips数や購入価格など一見理にかなった情報を集めているように見えます。
でも、仮説も疑問も何もない状態で情報を集めているので、そもそもデータを集めたところでジャンクでしかなく、解決法となるアウトプットがほとんど出てこないのです。
これでは、トレードが上達するはずがありません。
確かに、ごくまれにランダムなデータの中から、何かしらの法則なりルールを導きだすことがあります。
でも、そのルールや法則に必要なデータ数は、仮説をしっかりと立てた上で収集していたら、もう少し厳密かつ体系的に集めることができたものです。
つまり、仮説というインプットの質によって、結果として得られるアウトプットの質が変わってくるのですね。
だから、トレード記録をつけるにしても、順番を間違えずに周到に行わなければなりません。少なくとも、トレードを娯楽やギャンブルではなく、投機や投資として考えるのであれば、仮説とその検証という一連の流れについては規律として自分の中に取り込んでおく必要があります。
まとめ
FXで記録をつけるときは、小中学校でやった夏休みの自由研究を思い出し、疑問と仮説を解消する形でデータを収集しましょう。
それでは!