手話はもう古い

Facebookが「肌で聴く」のアームバンドを開発しています。
主に聴覚障碍者のために利用できるもので、発話された音を音素に分解して、アームバンドにその音の振動を伝えるというもの。使用にはそれなりに訓練が必要らしいですが、自動車の運転中に電話やPCを利用するためのツールとしても応用が考えられるそうです。
簡単に言えば、ベートーヴェンが骨伝導を利用して作曲するのに利用した指揮棒の現代版と言ったところです。
今まで聴覚障碍者とのコミュニケーションは手話を利用していたので、「聴覚情報→視覚情報」というプロセスでしたが、「聴覚情報→触覚情報」という点でFaceBookのアームバンドは新しいですね。
IT技術の進歩と共に情報の変換方法が変容してきています。
以前SWITCHインタビューで「現代の魔法使い」こと落合陽一さんの「オンテナ」「サウンドハグ」という研究が紹介されていましたが、これからの時代において、聴覚障碍や知覚障害は決してデメリットではなく、単なる身体的な特徴に過ぎないものになっていきそうです。むしろ、聴覚や知覚が不十分であるがゆえに新しいデバイスの恩恵にあずかれるという面で、聴覚障碍者や知覚障碍者は時代の最先端を経験できる人たちというポジティブな側面を持ちます。
Facebookのアームバンドはまだプロトタイプ(試作品)の段階にあるので実用化までは時間がかかるのでしょうが、これから先に期待できますね。
それにしても、こうした技術を日本で実用化するのは簡単なのでしょうか?
音素から考えると、英語の音素数は44個ですが、日本語の音素数は24個(流派によって数は変動)しかありません。ということは、こうしたアームバンドの実用化は日本語圏の方が容易に思えます。日本だと、Hmcommとかこの辺の研究してるんですかね? あるいはFacebookの日本支社が取り組んでいるのかもしれません。
実際に売られるとしたらどのぐらいの値段になるのかわかりませんが、聴覚障碍者のためにも早く研究が進んでほしいですね。